・各時代の全体像をつかむ、各部の概観とまとめ
・アクティブラーニングなど主体的な学習にも対応
・充実した内容,記述の刷新、新しい世界の動きを追加!
著者からのメッセージ
著者:木村 靖二 先生
執筆陣の強化をはかって,近年進展した研究成果を積極的に記述に取り入れた
ソ連・東欧社会主義圏の崩壊後,「歴史の終わり」を唱える論者が注目され,アメリカ合衆国の一人勝ちに見えた状況から,アメリカ帝国論がさかんになったのはつい先日のことでした。
しかしその後の世界的変動は,そうした議論を色あせたものにし,未来の方向すら見いだしにくい混沌とした状況がなお続いています。こうしたなかで,新しい世界史教科書を執筆することは,これまで以上に気を遣いました。しかし,一方ではそれは,執筆陣の強化をはかって,近年進展した研究成果を積極的に記述に取り入れる機会ともなり,やりがいのある挑戦でした。
ヨーロッパ史で,近代前期を近世として独立した時代区分としたこと,アメリカ史関連の記述を刷新したこと,さらに日本史関連部分を日本史専門家に精査してもらうことができたことも,改善と考えています。本書が教育現場で十分に活用されることを願っています。
著者:岸本 美緒 先生
今日の私たちの社会との関わりを考えてもらうような設問を付しました
世界史教科書においては,諸地域の動きを共時的な連関のもとでとらえると同時に,通時的な流れについてもわかりやすく示す必要があり,そのバランスが苦心のしどころであるといえます。
共時的といっても,単に諸地域の交流の事実を詳しく示すというのみならず,それぞれの地域の国家や思想・宗教,社会・経済が,独特の展開をみせながらも,大きくみると共通の人類的課題にとりくむなかで,ゆるやかに重なりあったリズムを形成していることを示したいと考えています。本書では,各部の「概観」「まとめ」で各時代の世界全体の動きを大きく鳥瞰するとともに,今日の私たちの社会との関わりを考えてもらうような設問を付しました。
内陸アジアについて現在の研究動向をふまえて記述の刷新と充実を図ったこと,東南アジアに関して流れをわかりやすくしたこと,日本史関係の記述の内容を現在の研究状況により即したものに改めたことなども改善点です。
山川ユーザーの実際の使い方
世界史の基礎知識の定着化に役立てている
埼玉県立熊谷西高等学校 藤川和俊 先生
本書は、単元ごとに各時代・各地域の歴史が明確・簡便にまとめられており、初歩的な歴史の流れをつかむのに便利で、図表も利用できるものが多い。
授業では授業前に一回、授業直前に一回(CD利用)、授業後にまとめ・確認のため一回、計三回の通読を行わせ、世界史の基礎知識の定着化に役立てている。
改訂前に比べ、減らされている個所もあるが用語集などで補足ができるので過不足なく授業が展開でき、受験勉強に大変役立つ一冊である。