時代を追って,「第1章 開国と維新」から「第8章 現代の世界と日本」まで,時代ごと,テーマごとに記述
21世紀を迎えて,交通・通信手段のめざましい発達にともない,グローバリゼーションの動きはますます活発に進行し,世界は小さくなりつつあります。また,東日本大震災と,その中でおこった原子力発電所の原子炉破壊による放射能漏れ事故は,自然災害の激烈さと,科学技術の進歩への安易な信仰に対して,強い反省を迫る出来事でした。 今後,日本と世界がどのような激動にさらされ,どのような方向に向うか予断を許しません。その方向性について理解するためには,何よりもまず,国際社会の変動の中で,過去の日本がどのような歩みを続けてきたのか,とりわけ,明治維新以来,百数十年の日本の足跡について,しっかりと見詰める努力が不可欠でしょう。
この『現代の日本史』の教科書では,冒頭に「私たちの時代と歴史」という項目を設けて,われわれの生きる時代が,近代以前といかなる点で変化したのか,またそれを実現する努力がどのように進められてきたのかについて大観しています。そして,以下,時代を追って,「第1章 開国と維新」から「第8章 現代の世界と日本」まで,時代ごと,テーマごとに記述しました。本文の末尾には,東日本大震災による大きな被害と今後の課題についても記しています。
そのほか,コラムではそれぞれの時代の重要で興味あるテーマを選んで,様々なエピソードを含めて,より詳細に解説しました。また,「近代の追究」「現代からの探究」では,生徒自身が教師の指導を受けながら,自分たちで史料を調査し,それを分析して,報告・討論するなどの学習活動ができるように構成を考え,研究課題を設定してあります。