《山川歴史モノグラフ》33.カトリシズムと戦後西ドイツの社会政策 1950年代におけるキリスト教民主同盟の住宅政策

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5,500円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 西ドイツ建国とともに政権についたキリスト教民主同盟(CDU)。その社会問題への取り組みが、どのような理念に支えられていたのかを考察し、CDUが理想とした人間像、形成しようとした社会に迫る。
ISBN:
978-4-634-67391-5
シリーズ: 山川歴史モノグラフ 33
著者: 芦部彰 
刊行:
2016年11月
仕様: A5  ・  256ページ
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目次:
序章 キリスト教民主同盟の社会問題への取り組み
 一九五〇年代の西ドイツとカトリシズム/これまでの研究/議論の進め方/議論の対象

第一章 一九五〇年代の住宅政策の枠組み
 1 第一次住宅建設法と「社会的住宅建設」の開始
 画期としての第一次住宅建設法/社会的住宅建設の諸規定/社会的仕宅建設の特徴
 2 負担調整と被追放民の流入への対応
 負担調整法/被追放民への対応
 3 建築用地の調達
 土地をめぐる議論/建築用地調達法
 4 第一次住宅建設法改正と持ち家建設の要求
 第一次住宅建設法の改正/CDUの要求

第二章 第二次住宅建設法とCDUの持ち家政策
 1 CDUの家族住宅創出法案
 家族住宅創出法案の立案過程/家族住宅創出法案の内容/リュッケの議論/各会派の討論
 2 対案の提出と法案審議の経過
 連邦住宅建設省の法案/SPDの法案/三法案から第二次住宅建設法へ
 3 第二次住宅建設法における持ち家建設優先の規定
 「家族住宅」という概念/公的貸付金のゆくえ/法案のさらなる修正/施工者と住宅の大きさ
 4 バイエルン州の反対と被追放民間題

第三章 CDUの住宅政策をめぐる対抗関係
 1 ドイツ国民家産住宅協会とCDUの住宅政策
 住宅建設に関わる諸団体/ドイツ国民家産住宅協会の特徴とその活動/士地問題から持ち家へ/両宗派との関係/対立の表面化
 2 CDUの住宅政策をめぐる議論
 都市における持ち家建設/持ち家の建設コストと住民の負担能力/住宅建設の字体/住宅政策にみる優先順位/鉱山労働者住宅建設/建槃家マイの構想
 3 家産運動の連続性と持ち家建設
 ドイツでの家産運動/公益的住宅扶助会社「家産住宅」/戦間期からの連続性/住宅改革の諸潮流  
第四章 CDUの住宅政策の理念とカトリシズム
 1 リュッケとカトリシズム
 四人の立役者たち/リュッケの経験
 2 カトリック社会教義の諸原則
 カトリック社会教義の基本的性格/「レルム・ノヴァルム」にみるカトリック社会教義/リュッケとカトリック社会教義の関係
 3 リュッケの住宅政策の理念とカトリソク社会教義
 所有と持ち家/家族と持ち家/自助と持ち家の建設/リュッケの構想とカトリック社会教義
 4 カトリック知識人および実践家の住宅に関する議論
 アルテンベルク集会とコンセンサスの形成/所有と自助/「家族」という考え方
 5 カトリック教会の住宅建設支援事業
 住宅建設事業と入植事業/カトリック教徒大会記念入植地の建設

第五章 カトリック・ミリューにおける住宅建設の実践
 1 エーレンとドイツ入植者会
 エーレンとリュッケ/入植者の組織化
 2 自助による住宅建設の実践
 入植者共同体と住宅建設/住宅建設の実践
 3 家族にふさわしい家のイメージと庭の重視
 「家族にふさわしい家」/エーレンの「理想の家」/「家」と「土」の結びつき
 4 住宅建設の実践と生改革運動
 エーレンの実践と生改革運動/エーレンにみる生改革的要素/戦間期の青年運動の活動と論理

終章 カトリシズムによる社会改革

あとがき