第二のオスマン帝国 近世政治進化論

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8,800円 (税込)
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解説: オスマン帝国史研究の新視点を切り開いた、トルコの気鋭の歴史家バーキー・テズジャン(Baki Tezcan)によるThe Second Ottoman Empire: Political and Social Transformation in the Early Modern World(ケンブリッジ大学出版、2010年)の翻訳。
アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸を支配したオスマン帝国――、その存在は周知のことだろう。しかしながら、本書に冠された「第二の(Second)」とは一体何をさすのだろうか? 16世紀後半~17世紀前半、オスマン帝国は国制の大変革を経て、「第二帝国」(Second Empire)とも呼びうる姿へ変貌を遂げた。従来のオスマン史では、16世紀のスレイマン1世の時代が「黄金期」であり、その後は長期的な衰退の道を辿った…とされてきた。しかし、こうした衰退史観に対して、本書は丹念に史料を読み込み、とくに1622年のオスマン2世(位1618~22)の廃位と弑逆に注目しながら、帝国の変容過程を詳細に論じる。
帝国史上、始祖オスマンの名前をはじめてつけられた「第二のオスマン」、すなわちオスマン2世は、イェニチェリ軍団の反乱により若くして命を落とした。その背景には何があったのだろうか? 近世オスマン帝国の政治進化の姿――「市民」化するイェニチェリ、市場経済の発展とウラマーによる制限君主制の試み、民主化の胎動――、こうした社会経済的背景や政治的要因を、同時代の世界の動きにも目を配りつつ、解き明かしていく。
ISBN:
978-4-634-67256-7
著者: バーキー・テズジャン  前田弘毅  佐々木紳翻訳 
刊行:
2024年4月
仕様: A5  ・  400ページ
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目次:
序 論 近世オスマン政治史
第1章 単一市場、単一通貨、単一の法――市場社会と万民法の形成
第2章 王位継承問題――法的監督のもとにおかれた王家
第3章 宮廷の逆襲――オスマン帝国における絶対主義の形成
第4章 二人目のオスマンによる新帝国形成――オスマン2世の時代(1618~22年)
第5章 絶対王政の転覆――弑逆
第6章 顕現する第二帝国――イェニチェリの時代
結 論 オスマン帝国の衰退と近世