第一次世界大戦と帝国の遺産

価格
3,740円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 第一次世界大戦の開始から100年。二度の世界大戦と冷戦を体験したわれわれは今も混迷のさなかにある。20世紀初頭の諸帝国が残したものは何か。国民国家の枠を超えて考える。
ISBN:
978-4-634-67234-5
著者: 池田嘉郎  後藤春美  松沼美穂  今野元  福田宏  中澤達哉  藤波伸嘉  小池求  上野愼也 
刊行:
2014年3月
仕様: A5判  ・  296ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
序論 第一次世界大戦をより深く理解するために
 1 第一次世界大戦の基本的な意義と本書の視角
 2 帝国とその遺産からみる総力戦
 3 帝国とその遺産からみる第一次世界大戦前後の国際秩序

イギリス帝国の危機と国際連盟の成立
 1 帝国の戦いと戦線の拡大
 2 大戦の終結と帝国の遺産

人の動員からみたフランス植民地帝国と第一次世界大戦
 1 動員
 2 人的「資源」の配置と活用
 3 一九一七年の危機
 4 戦後の帝国再構築と大戦帰還兵

国民国家史におけるドイツ帝国崩壊の意義
 1 ドイツ史における前近代的普遍性の展開
 2 フランス革命の衝撃とドイツ国民国家の建設
 3 総力戦によるドイツ国民国家の団結
 4 ヴァイマール共和国から国民社会主義体制への連続性

ポスト・ハプスブルク期における国民国家と広域論
 1 貴族たちの広域論  戦間期・第二次世界大戦期・冷戦期
 2 エコノミストたちの広域論  一九一八~二九年
 3 危機における広域論と農業  一九二九~四五年
 4 亡命者たちの広域論 - 冷戦の影  一九四五~八九年

二重制の帝国から「二重制の共和国」と「王冠を戴く共和国」へ
 1 大戦直前の政治的主張の配置
     君主制とスロヴァキア国民主義の両立
 2 大戦前期の政治的主張の配置
     君主制とチェコスロヴァキア国家の両立
 3 大戦末期の政治的主張の配置
     君主制から共和制のチェコスロヴァキアへ
 4 ポスト帝国期の政治的主張の配置
     ハプスブルク礫岩国家編成の遺産

コーポラティヴな専制から共和制の帝国ソ連へ
 1 ロシア帝国のコーポラティズムとエトノス
 2 総力戦とエトノス
 3 帝国と自治
 4 専制の崩壊から共和制の帝国ソ連の成立へ

オスマン帝国と「長い」第一次世界大戦
 1 革命から戦争へ
 2 最後の聖戦
 3 帝国の解体

中国の不平等条約改正の試みと第一次世界大戦
 1 不平等条約改正の試みと継承
 2 大戦勃発と中国
 3 中独関係の修復と平等関係へ

古典教育と黄昏のイギリス帝国
 1 古典学専修課程の成立
 2 栄達の道へ
 3 帝国支配を支える
 4 古典学と国際秩序

あとがき
索引