マグリブ中世社会とイスラーム聖者崇拝

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6,809円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: イスラーム世界でひろく見られる聖者崇拝に着目し、聖者伝史料を詳しく分析することによって、奇跡譚を政治的・社会的に位置づけ、民衆の視点からマグリブ中世社会を読み解く意欲的な研究。従来、政治史や制度史に重点がおかれていたイスラーム中世史研究に新たな視座を与える。 
ISBN:
978-4-634-67217-8
著者: 私市正年 
刊行:
2009年2月
仕様: A5判  ・  376ページ
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目次:
序論
  1 問題の所在
     聖者崇拝の地域的広がり
     従来の聖者研究と歴史学による聖者研究の可能性
     本論のテーマ設定と目的
     マグリブ聖者研究の重要性について
  2 研究史
  3 考察対象の地域・時代と考察の方法・意義
     考察対象地域の設定
     考察対象の時代と考察の方法・意義
  4 史料について
 第一章 聖者の概念と聖者像の比較
  1 イスラームの聖者概念
  2 スーフィズムと聖者
     イスラームにおけるスーフィズムと聖者
     イスラーム初期のマグリブの聖者崇拝とスーフィズムの伝播
  3 初期スーフィーによるリバート建設と聖者崇拝思想の発展
  4 聖者像の比較 キリスト教の聖者とイスラームの聖者
     キリスト教における聖者
     列聖化のはじまり
     イスラームにおける聖者
     公的な聖者認定制度の欠如
 第二章 聖者形成のメカニズムとプロセス
  1 イスラーム聖者を構成する三つの要素
     イスラームとは関係のない要素
     イスラームに内在化された要素
     スーフィズムの発展から出現する要素
  2 マグリブ中世史料にみえるバラカ概念の変化と聖者崇拝の発展
    1 バラカ概念の歴史的変容の問題の重要性
    2 イスラーム以前とイスラーム最初期のバラカ概念
     イスラーム以前のバラカ概念
     『コーラン』の中のバラカ概念
     最初期の歴史資料におけるバラカ概念
    3 マグリブ史料にみえるバラカ概念
     十一~十二世紀前半のバラカ概念
     十二世紀半ば~十三世紀末のバラカ概念
     十四~十五世紀初頭のバラカ概念
    4 バラカの偏在と大衆化
  3 聖者形成のプロセス
     スーフィズムの大衆化と聖者伝の記述の変化
     聖者伝の記述の変化と聖者像の変容
     聖者イブラーヒーム伝説の成立過程
     バラカの大衆化と民衆的聖者の出現
 第三章 聖者のプロフィール
  1 農村の文字の読めない聖者アブー・ヤアザー
     野獣を友とする放浪者
     農村の大衆とともに生きる聖者
     目に見える奇跡
     社会的弱者の味方
     墓と巡礼
     聖なる家系とフィク