今こそ学ぼう地理の基本 防災編

価格
2,420円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: なぜ日本では毎年のようにどこかで水害が起こるのか。なぜ火山がたくさんあるのか。なぜ地震が多いのか…。
これらはすべて,世界の中で日本がどのような場所に位置しているのか,日本の中でも地域ごとにどのような自然環境にあるのかなどを知ることで理解できる。本書は災害発生の仕組みを自然地理学の観点から、わかりやすい文章と豊富な写真・図版を取り上げながら解説した書籍である。
総論で「地理」で自然災害を学ぶ意義を取り上げ、1-5章では災害の種類ごと(「地震と津波」「火山」「水害」「土砂災害」「その他の気象災害」)を詳述、さらに6章では地形について着目し、地形が伝える自然の営みを地図から読み取り、災害に備えるためにどのような心構えをすればよいのかを解説する。
1-5章のそれぞれの災害については、大まかに、①過去の自然災害の事例、②自然災害発生のメカニズム、③身を守るための政策や心構え、の配列で構成した。
2022年度より高校で新たに必修科目として始まった「地理総合」において、「自然環境と防災」という項目が設置された。教科書で取り上げきれない内容を補完しており、防災教育の副読本としても最適の内容となっている。

ISBN:
978-4-634-59204-9
著者: 長谷川直子  鈴木康弘著・編  宇根寛  遠藤宏之  岡本耕平  平井史生 
刊行:
2023年9月
仕様: A5  ・  224ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
はじめに
目次

総論 地理で学ぶ災害と防災
1 自然の恩恵とリスク
2 日本で自然災害が多い理由
3 明るい未来のために防災を学ぼう
4 「地理総合」「地理探究」と防災
5 災害予測の難しさ
6 ハザードマップで災害を知ろう
7 身近なハザードマップをみてみよう
8 ハザードマップの留意点
9 ハザードマップを補う地理院地図
10 さまざまな気象情報・避難情報
11 いのちを守る避難の重要性
12 災害に強いまちづくり
13 「防災」から「減災」へ
〈コラム〉避難所と避難場所

第1章 地震と津波
1 決して「想定外」ではなかった東日本大震災
2 東日本大震災① 長く強い揺れ,そして大津波
3 東日本大震災② 都市で起きた問題
4 東日本大震災③ 地方における過疎と孤立の問題
5 東日本大震災④ 地形改変地を襲う地盤被害
6 阪神・淡路大震災と「震災の帯」
7 なぜ日本はこんなにも地震が多いのか?
8 関東大震災における複合災害
9 傷だらけの日本列島
10 被害を左右する足下の地盤
11 地震被害から命を守るインフラ
12 次に警戒すべくは南海トラフ地震?
〈コラム〉大地震発生!あなたは誰に助けてもらう?

第2章 火山災害
1 予測できなかった御嶽山の悲劇
2 雲仙・普賢岳の火砕流
3 富士山が噴火するとどうなるのか
4 江戸幕府を揺るがした1783年浅間山天明噴火
5 「島原大変肥後迷惑」とは
6 巨大な阿蘇山のカルデラ
7 火山災害から命を守る方法
8 火山灰が語る巨大噴火の歴史
9 日本にはなぜ火山が多いのか
10 火山の豊かな恵みと私たちの暮らし
11 噴火対策① 安全と経済のバランス
12 噴火対策② ハード対策の限界
13 噴火対策③ 命を守るための避難行動
〈コラム〉噴火の空振が津波を引き起こす?  
第3章 水害と雪害
1 西日本の広域で発生した豪雨(2018年)
2 都市機能を麻痺させた東海豪雨(2000年)
3 防災政策の出発点となった「伊勢湾台風」(1959年)
4 東京の下町が水没した「カスリーン台風」(1947年)
5 記録的な豪雪に見舞われた北陸(2021年)
6 雪に慣れていない地方の大雪(2014年)
7 台風の移動経路と雨雲
8 梅雨前線・秋雨前線による豪雨
9 水害の起こりやすい場所
10 川の周囲を点検しよう
11 川があふれなくても浸水する
12 水害対策① 流域治水の考え方
13 水害対策② 伝統的な水害への備え
14 水害対策③ 気象・水害情報を活かす
15 雪害対策① 日本海側の降雪
16 雪害対策② 除雪技術と地図情報
〈コラム〉救助要請「#助けてください!」

第4章 土砂災害
1 土石流に襲われた広島の住宅地
2 深層崩壊と河道閉塞で拡大した被害
3 地震が誘発する土砂災害
4 土砂災害にはどのようなものがあるのか
5 がけ崩れや地すべりはなぜ起きるのか
6 宅地造成に伴う土砂災害の危険を知る
7 暮らしやすい地形をつくった土砂移動
8 開発が進むことで高まる土砂災害リスク
9 斜面崩壊へのさまざまな対策
10 早期避難とハザードマップ
〈コラム〉熱海土砂災害での土石流発生箇所の特定

第5章 暴風や猛暑・突発的な大雨
1 台風がもたらす記録的な暴風
2 年々激化する猛暑
3 暴風災害を受けやすい場所
4 線状降水帯が引き起こす豪雨
5 局地的強風による災害
6 気象情報の活かし方
7 強風被害を守る伝統的な知恵
8 ヒートアイランド対策・緑地の効果
9 気候変動と気候危機,気候正義
10 増える「滝のような雨」,大雨の回数は増える?
11 台風の大雨に気候変動が影響?
〈コラム〉気候変動適応とは

第6章 地図を使って災害を理解する
1 地図は悪夢を知っていた
2 地形は何を語っているか
3 地形分類① 地形はどのように分類されるか
4 地形分類② 地形の成り立ちを知る
5 地形分類③ 地形分類図から読み解く土地の成り立ち
6 地形分類④ 火山の成り立ちを知る
7 地形分類⑤ 地震がつくった地形
8 地形からみる揺れやすさ
9 地理院地図で地形を理解する
10 地理院地図で標高を知る
11 人が隠した土地の成り立ち
12 古い地図から土地の成り立ちを読みとる
13 先人が伝えた災害伝承碑と古文書
14 災害の危険を評価した地図
15 洪水の浸水リスクを示した図
16 津波の浸水リスクを示した図
17 いざ災害! 地図は何を伝えるのか
18 進化する地図技術と災害への活用
19 自分たちの足元を知り災害に備える
20 近隣で作るハザードマップ
21 地域の災害リスクをどう教えるか

参考図書・URL
著者
索引