《日本史リブレット人》063.小林一茶 時代をよむ俳諧師
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目次:
1.芭蕉・蕪村・一茶
芭蕉翁の臑をかぢつて夕涼-芭蕉あっての一茶/
はつ時雨俳諧流布の世也けり-化政期は誰もが俳諧師
2.一茶の俳風
世直しの大十五夜の月見かな-農民の目線で句をよむ/
松蔭に寝て喰ふ六十余州哉-政治こそが一茶の俳風/
田の雁や村の人数はけふもへる-故郷思いの俳諧師
3.一茶の生涯
まゝつ子や灰にイロハの寒ならい
-弥太郎も読み・書きを学んでいた/
是がまあつひの栖か雪五尺-信濃に戻り独自の俳風を確立/
はつ雪に一の宝の尿瓶かな-老いとの闘い/
君が世や旅にしあれど笥の雑煮-俳諧情報と古典に強い一茶
4.化政期の社会の諸相をよむ
なまけるなイロハニホヘト散桜-信州の村も勉強時代/
うら店は蚤もいんきか外へとぶ-裏長屋の生活を実写する/
江戸口でまめで出代るも小諸節-信州人の江戸奉公/
さま付に育上たる蚕かな-養蚕業の発達と村の変化をみつめる
5.化政期の政治の動きをよむ
世直しの夕顔咲ぬ花さきぬ-一茶の世直し願望/
花おのおの日本だましいいさましや-国学思想に傾倒する一茶/
けふからは日本の雁ぞ楽に寝よ-一茶の国際感覚
一茶を深める
芭蕉翁の臑をかぢつて夕涼-芭蕉あっての一茶/
はつ時雨俳諧流布の世也けり-化政期は誰もが俳諧師
2.一茶の俳風
世直しの大十五夜の月見かな-農民の目線で句をよむ/
松蔭に寝て喰ふ六十余州哉-政治こそが一茶の俳風/
田の雁や村の人数はけふもへる-故郷思いの俳諧師
3.一茶の生涯
まゝつ子や灰にイロハの寒ならい
-弥太郎も読み・書きを学んでいた/
是がまあつひの栖か雪五尺-信濃に戻り独自の俳風を確立/
はつ雪に一の宝の尿瓶かな-老いとの闘い/
君が世や旅にしあれど笥の雑煮-俳諧情報と古典に強い一茶
4.化政期の社会の諸相をよむ
なまけるなイロハニホヘト散桜-信州の村も勉強時代/
うら店は蚤もいんきか外へとぶ-裏長屋の生活を実写する/
江戸口でまめで出代るも小諸節-信州人の江戸奉公/
さま付に育上たる蚕かな-養蚕業の発達と村の変化をみつめる
5.化政期の政治の動きをよむ
世直しの夕顔咲ぬ花さきぬ-一茶の世直し願望/
花おのおの日本だましいいさましや-国学思想に傾倒する一茶/
けふからは日本の雁ぞ楽に寝よ-一茶の国際感覚
一茶を深める
メッセージ・あとがき:
「我と来て遊べや親のない雀」とよんだ小林一茶は,慈愛に満ちた俳諧師として知られている。また,江戸の著名な俳諧師のなかでたくましく生きながら,滑稽味豊かな句をよみつづけた一茶像を想像する方もおられることだろう。一茶は日本や中国の古典を研究しつづけた勉強家で,自分が生きた時代を真摯にみつめて句をよんだ俳諧師でもあった。本書ではそんな句を紹介しながら,歴史学的な関心から,一茶像に新たな側面を加えてみたいと思う。