《日本史リブレット》094.日本民俗学の開拓者たち

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880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 日本で独自に形成発展した学問,民俗学。民俗学研究を開拓し,形成・発展に尽くした多彩な研究者とその業績を紹介しながら,民俗学の歴史を紐解く。
ISBN:
978-4-634-54706-3
シリーズ: 日本史リブレット 94
著者: 福田アジオ 
刊行:
2009年8月
仕様: A5変型判  ・  112ページ
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目次:
1.野の学問,民俗学
  日本でつくられた学問/民俗学の形成/柳田国男と折口信夫/
  組織者としての柳田国男
2.菅江真澄
  旅で民俗の発見/菅江真澄の生涯/菅江真澄の旅と日記/
  民俗への関心/天明の大飢饉/「真澄遊覧記」から知る民俗/
  田植え風景
3.鳥居龍蔵
  土俗会/毎年開催の土俗会/自学自習の大学者/日本から大陸へ
4.山中共古
  「甲斐の落葉」/御家人からキリスト教牧師へ/共古の功績
5.柳田国男
  『遠野物語』/柳田国男と佐々木喜善/民俗学への道/
  民俗の発見/民俗学の大系化/民俗学の方法確立/周圏論/
  日本人はどこからと「海上の道」
6.折口信夫
  口を折って「髯籠の話」/折口と柳田/折口信夫の生涯/マレビト論
7.宮本常一
  「土佐源氏」/ブーム宮本常一/宮本常一の生涯/
  柳田国男と渋沢敬三/宮本常一の民俗学/聞書きの記録か創作か
8.瀬川清子
  海女の生活/瀬川清子の人生/女性の目から捉える民俗/
  研究者瀬川清子
9.アカデミック民俗学への道と研究者群像
  専門教育の開始/関東の大学/関西の大学/各地の民俗学研究者  
メッセージ・あとがき:
日本の民俗学は柳田国男によって開拓され,確立したことはまちがいない。
しかし,すべてを柳田に始まり,柳田に終わると解釈してはならない。
近世以来の文人たちによる民俗の発見があり,明治以降の欧米人類学の導入があった。
明治末の柳田国男の登場で,それらが統合され,民俗学が成立した。
しかし,柳田以降にも,自己の問題意識で独自の民俗学形成に果敢に挑戦した人たちがいる。
「野」の学問としての民俗学は多くの個性的な先達を持っていることを理解していただきたい。