《日本史リブレット》092.江戸時代の老いと看取り
価格: |
880円 (税込)
|
在庫: |
在庫あり
|
解説: |
江戸時代は長寿化と高齢化が進んでいた。親族や地域社会が支援し合い,幕府や藩は老いの世代を支える施策に迫られた。歴史学研究の成果をもとに,「老い」を生きる,寿ぐ,看取るという観点から実相をひもとく。 |
ISBN: |
978-4-634-54704-9 |
シリーズ: |
日本史リブレット
92
|
著者: |
柳谷慶子=著
|
刊行:
|
2011年10月
|
仕様: |
A5変型判
・
120ページ
|
詳細をみる
目次:
1.老いへのまなざし
映画「たそがれ清兵衛」の描写から/原作と映画の背景/
江戸時代の長命化
2.老いを生きる
老いて働く農民/高齢の当主と後家当主/老いて現役の武士/
傘寿を超える藩士/江戸後期の幕府高齢役人/
長生きこそが「武士道」/隠居年齢の引下げ/
老いて現役の奥女中/武士と奥女中の隠居/庶民の隠居契約/
隠居女性の役割と活動
3.老いを寿ぐ
「諸国風俗問状答」にみる年祝い/菅江真澄がみた百賀/
歴代将軍の算賀/大名の年祝い/算賀にみえる杖の贈与/
養老の儀式/藩校の儀式/藩校の養老式/養老扶持の支給
4.老いを看取る
「養老」の教えと孝規範/武家における介護教育/
看取りと向きあう武士/「看病断」の制度/「看病断」による看取り/
高齢者褒賞と善行褒賞/庶民家族の看取りの重圧/
看取りの外部化/孤老の看取りと地域/地域の縁をつなぐ
老齢の家族の日々の暮らしを支えることは,家の役割として重視され,とりわけ子として親を扶養し看取ることは,孝行の実践行為として規範化されていました。
長寿化と高齢化が進展してゆき,長寿を叶えるための心得と,あるべき看取りが説かれた時代にあって,人びとはどのように老いと向きあい,幕府や藩は,いかなる方策を示していたのか,本書では,老いを生きる,老いを寿ぐ,老いを看取る,という三つの観点から,その実相をひもといてみます。