《日本史リブレット》072.古代東国の石碑

価格
880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 日本に現存する古代の石碑・石塔はわずか18基。そのうち,「日本三古碑」を含む6基を東国が有する。本書で,この6基の石碑・石塔を,東国研究のための歴史資料として積極的に位置づけ,古代東国の歴史像解明への糸口を探る。
ISBN:
978-4-634-54684-4
シリーズ: 日本史リブレット 72
著者: 前沢和之 
刊行:
2008年12月
仕様: A5変型判  ・  120ページ
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目次:
石碑から東国を考える
1.古代石碑の見方と考え方
  広開土王碑文の再考/上野三碑との出会い/石碑研究への視点
2.日本古代の石碑
  石碑の源流/石碑建立の背景/石碑の現状
3.山上碑-古墳から地方寺院へ
  山上碑がある場所/来歴と研究/石碑の状況/碑文と判読と内容/
  建立の契機/墓碑としての問題点/祖霊の追善/放光寺の発見/
  放光寺と総社古墳群/山上碑が語ること
4.金井沢碑-知識結縁の石文
  金井沢碑がある場所/来歴と研究/石碑の状況/
  碑文の判読と内容/銘文の見直し/建立の契機と目的/
  「知識」の用字/山上碑との関係/金井沢碑が語ること
5.多古碑-建郡の牓示と口示
  多胡碑がある場所/来歴と研究/石碑の状況/碑文の判読と内容/
  『続日本紀』との比較/石にきざまれた『風土記』/
  「羊」の検討から/建立の目的/郡符木簡による伝達/口示と牓示/
  多胡碑の疎開/多胡碑が語ること
6.山上多重塔-衆生済度の石塔
  山上多重塔がある場所/来歴と研究/石碑の状況/
  碑文の判読と内容/建立の目的/建立の背景/石塔が語ること
7.那須国造碑-評督韋提をしのぶ
  那須国造碑がある場所/来歴と研究/石碑の状況/
  碑文の判読と内容/建立の目的と背景/那須国造碑が語ること
8.多賀城碑-蝦夷と坂東とを結ぶ
  多賀城碑がある場所/来歴と研究/石碑の状況/
  碑文の判読と内容/建立の目的と背景/
  多賀城碑基礎の発掘調査/多賀城碑の論点/多賀城碑が語ること
東国への歴史認識  
メッセージ・あとがき:
日本に現存する古代の石碑・石塔はわずかに一八基,いずれも貴重な遺産であり文化財であるが,それらを歴史資料として取り扱うのは意外に難しい。
真偽の検証から改竄の有無の確認,建立した人物やその目的の探索まで、細心の考察と大胆な推察とが必要とされる。
そして何よりも,建立された場所や人びととの関わりに眼を据えなくてはならない。
「日本三古碑」を含む六基の石碑・石塔が現存する東国は,それを試みるのに相応しい場所といえるであろう。
その手始めとして,個々の石碑・石塔の特色をみていくなかで全体に通じる要素を探り出し,それを古代東国の歴史像解明への糸口にする,本書ではそのような読み解き方をしてみたい。