《日本史リブレット》068.戦後補償から考える日本とアジア

価格
880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: アジア太平洋戦争の終結から半世紀を経て今もなお続く戦後補償・賠償の問題を通して,日本とアジア諸国との関係を今後の課題も含めて考える。
ISBN:
978-4-634-54680-6
シリーズ: 日本史リブレット 68
著者: 内海愛子 
刊行:
2002年1月
仕様: A5変型判  ・  112ページ
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目次:
1.今も続く補償問題
  アジアとの交流の中で-草の根のネットワーク/
  個人補償はできるのか
2.日本政府の言う「解決済み」の賠償とは
  冷戦と日本の賠償-アメリカのアジア戦略の中で/
  連合国は賠償請求権を放棄-フィリピンは抵抗した/
  アジアの不満と不安/アジアへの賠償/
  補償金を受けとった人たち-連合国の捕虜と民間人の場合
3.植民地出身者にする差別的取り扱い
  弔慰金というカネ-台湾人元日本兵の裁判/
  援護法から排除された元日本兵-朝鮮人の場合/
  軍人恩給と援護法/国籍による差別-傷痍軍人・軍属/
  釈放を求めて-朝鮮人戦犯
4.強制労働に対する補償問題
  韓国からの訴訟-個人の請求権は消滅したのか/
  強制労働と賃金-「時効」と「国家無答責」の壁/
  未払い金の「没収」-朝鮮人強制労働/
  国と企業の責任-中国人強制連行
5.裁かれた「慰安婦制度」
  民間法廷の「判決」/強かんと「慰安所」/「償い金」
6.戦後補償裁判をめぐる新たな動き
  補償立法を促す判決/反応の鈍い日本政府
 
メッセージ・あとがき:
「何の補償もない」「賠償はすべて解決ずみ」-アジアの戦争被害者と日本政府の主張は,いまも食い違っている。
中国侵略から敗戦までの日本軍の行動に,被害者が補償を求めている。
その裁判は七〇件近くにおよぶ。
アジアの人たちは何を訴え,どのような主張をしているのだろうか。
本書は,裁判で問われた問題点をまとめるとともに,被害者の「声」を伝えようと心がけた。
その「訴え」は,戦後の日本とアジアの関係を考えるうえで,欠くことが出来ないものだからである。