《日本史リブレット》052.草山の語る近世

価格
880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 近世は人と自然の関係史にとって大きな転換点であった。なかでも森林は耕地開発の対象となり,木材は最重要な資源の1つであった。人間は自然に対し,どのような働きかけを行ってきたのか,人間と山野の関わりを探る。
ISBN:
978-4-634-54520-5
シリーズ: 日本史リブレット 52
著者: 水本邦彦 
刊行:
2003年7月
仕様: A5変型判  ・  114ページ
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目次:
人間と山野の関わり
1.野火と草山
  野火の季節/秋田藩、人吉藩など/弘前藩の対応/
  草山の創出・維持/循環の強制
2.草山の景観
  信濃国伊那谷の山々/正保郷帳/阿波・越中・陸奥/
  近世中期の様相/比叡山・東山
3.草肥農業
  刈敷の風景/近世肥料の研究/農書から/草刈り作業/
  刈敷の必要量
4.山論・牛馬・新開
  山論/村掟・山割り/厩肥と牛馬/山野の新開
5.土砂災害と土砂留
  砂山・はげ山の景観/土砂留制度/土砂留の工法/
  奉行・担当大名・個別領主/土砂留の功罪
自然と人類史の相関構造
 
メッセージ・あとがき:
山野と人との交わりは,人類発生以来のものでした。
日本の歴史にあっても,縄文人と落葉広葉樹の森,古代や近世の大都市建設と山林伐採,中世山岳仏教の展開,杣人や木地屋と林産資源など,多くのテーマがすぐに浮かびます。
1890年代に始まる日本の産業革命も,薪や木炭が重要なエネルギー源でした。
本書は,そうした山野と人との関わりを,江戸時代の場面で眺めます。
稲作農業が満面開花したこの時代,人は生業を通じて山野と深いつながりを持ち,全国の山々はどこも人の姿で満ち溢れていたのでした。