《日本史リブレット》047.海の道,川の道

価格
880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 近世社会の流通を担った海と川を舞台とする舟運の諸相を,諸国廻船から高瀬舟まで,各地域ごとに紹介する。現地に残る遺物や聞き取り調査から,その繁栄や,舟運を担った人びとの姿を描きだす。
ISBN:
978-4-634-54470-3
シリーズ: 日本史リブレット 47
著者: 斉藤善之 
刊行:
2003年8月
仕様: A5変型判  ・  114ページ
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目次:
流通史の現場を歩く
1.内海浦を歩く-尾州廻船のふるさと
  尾州廻船のふるさと/唐人お吉の碑と海難除地蔵/
  泉蔵院と慈光寺/内田佐七家の誕生/内海船の買積商法/
  内海船の終焉/内海最大の海商・前野小平治家/
  内海船の資料館/ニッポン音吉
2.河野浦を歩く-北前船のふるさと
  古代・中世の河野浦/北前船主の浦/右近家の歩み/
  寛政・化政期の右近家と北国海運/飛躍する右近家/
  右近家の人的活用法/地域社会への貢献と近代企業への転身/
  北前船時代の終焉/河野浦の町並み
3.兵庫津・和田神社を歩く-北前船と尾州廻船が出会う湊
  倒壊した和田神社の常夜灯/忘れられた常夜灯/
  常夜灯にきざまれた商人たち/
  金毘羅山の玉垣・もう一つの商人グループ/
  競合する商人ネットワーク
4.石巻湊を歩く-はるかなる尾張との密接なつながり
  大河と海とが出会う町/中世の知多と石巻/近世の知多と石巻/
  いわき市中田地区の浦証文から/
  江戸商人・奥三郎兵衛と石巻の白鳥喜七/
  奥三郎兵衛・白鳥喜七と東京廻米問屋市場
5.小堀河岸を歩く-利根川水運の拠点河岸
  小堀河岸・忘れられた景観/残された河岸の景観/
  小堀河岸のにぎわい/水神社の祭礼と若者組/残された遺物は語る  
メッセージ・あとがき:
海運史・港湾史の研究は、まだまだ研究蓄積の浅い分野です。
ということは,これから新しい発見がおおいに期待できる分野でもあります。
また船や港の研究は,専門の研究者だけでなく,多くの市民的研究者や愛好家によって支えられています。
さらに船や港の世界は,実際にそこで働いた方々からんも聞取りも重要な研究の手段です。
本書は,そうした方々の交流から生まれました。
いわば海運史・港湾史の現場を歩きながら,著者が見たり聞いたり感じたりしたことを記したフィールドノートというわけです。
この本が,船や港の歴史に関心のある方々にとって,現地調査の方法を考える手がかりともなれば幸いです。