《日本史リブレット》038.慶安の触書は出されたか

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880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 歴史の教科書に必ず登場する慶安の触書は,本当に実在したのだろうか。一片の法令の謎解きを通して,江戸時代の幕府と各地の大名・旗本,村と百姓を考察する。
ISBN:
978-4-634-54380-5
シリーズ: 日本史リブレット 38
著者: 山本英二 
刊行:
2002年7月
仕様: A5変型判
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目次:
教科書に見る慶安の触書
1.研究史の中の慶安の触書
  つきまとう疑問/疑わしきは罰せず/
  見つからない触書,解決しない疑問
2.慶安の触書の源流
  一六九七年甲府徳川藩「百姓身持之覚書」の再発見/
  「百姓身持之覚書」の時代性と地域性
3.謎が謎を呼ぶ別本「百姓身持之事」
  寄せられた新情報/変更された条文・朝起きの奨励と下人/
  削除された付帯条項/商い心と麦田/
  採用されなかった条文・「忠左衛門作分」/
  「百姓身持之事」の流布とその特徴/
  黒羽藩「百姓身持教訓」と鈴木武助
4.美濃国岩村藩慶安の触書出版とその歴史的意義
  岩村藩における出版事業/『甲子夜話』をめぐる行為/
  なぜ慶安なのか
5.全国に広がる慶安の触書
  受容のピークと天保の大飢饉/採用する領主としない領主/
  営利販売を禁止された慶安の触書
6.慶安の触書とメディアリテラシー
  慶安の触書流布の背景/寛政改革と松平定信,そして林述斎/
  明治国家と慶安の触書/皇国史観と慶安の触書/
  戦後歴史学と慶安の触書/二十一世紀の慶安の触書  
メッセージ・あとがき:
慶安の触書は,歴史の教科書なら必ず登場する,百姓の生活全般にわたって規制したとされる,江戸時代で最も有名な法令です。
ところがいまだかつて,日本のどこからも一六四九年に出されたはずの現物が見つかっていません。
本当に慶安の触書は実在したのでしょうか。
それとも後世の偽文書なのでしょうか。
一片の法令の謎解きを通じて,江戸時代の幕府と各地の大名・旗本,そして村と百姓を考えてみたいと思います。