《新体系日本史》4.政治社会思想史
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目次:
序
Ⅰ 古代の政治社会思想
1章 古代の政治思想
1 「治天下」の認識
政治的世界の形成/二世紀における中国との通交/
邪馬台国以後の倭人社会/七支刀銘文と高句麗広開土王碑文/
『宋書』倭国伝の「倭の五王」/倭国内部の秩序形成/
東・西・北方の領域認識/被冊封国の「天下」認識
2 国家形成と世界認識
倭王武の限界性と六世紀の王権/政治的秩序の形成と国造/
推古朝の対等外交の主張と天孫意識/倭王の「大国」認識/
東アジア情勢の緊迫化と倭国の中央集権化
3 律令国家の成立
天武政権の誕生と天皇号の成立/
天智天皇の和風諡号と天命思想/天命思想と「天孫降臨」神話/
国土支配の完成と中華思想/律令国家の儒教思想/
神祇体系の再編と国家仏教/君主観の展開
4 平安時代の国家と政治思想
新皇統、桓武天皇の誕生/宮の構造と変化/
新羅認識の変化と中華思想の歴史認識化/
王土王民思想の形成と世界観の変化/矮小化する国家認識/
承平・天慶の乱と対外関係
2章 古代の社会思想
1 古代百姓の社会的性格
百姓と律令制国家/百姓と国司苛政上訴
2 律令制国家と百姓
百姓と百姓身分/百姓款・百姓愁状の展開
3 百姓の太政官越訴
越訴の展開/百姓の国司越訴
4 郡司・百姓の国衙襲撃
対馬・石見の国衙襲撃/愁訴と国衙襲撃
5 公門上訴と「門下」上訴
公門上訴の始原/国司苛政上訴の転成/門下上訴と門下濫吹
6 古代百姓論の展望
古代百姓の転変/公門上訴の意義
Ⅱ 中世の政治社会思想
1章 中世前期の政治思想
1 本章の課題
2 朝廷の秩序と理念
神国思想と朝廷/[コラム]平将門と「新皇」/平安時代の朝廷/
摂関の主導による朝廷再建運動/朝廷再建の精神
3 朝廷の動揺と再建運動
保元の乱/平治の乱/治承三年政変/一一八〇年代内乱
4 朝廷・幕府体制の成立と展開
朝廷・幕府体制の成立/承久の乱と朝廷再建運動/
朝廷再建運動の展開と終焉
5 本章のまとめ
2章 中世前期の社会思想
1 中世前期の民衆としての「百姓」
課題の設定/中世前期の百姓層
Ⅰ 古代の政治社会思想
1章 古代の政治思想
1 「治天下」の認識
政治的世界の形成/二世紀における中国との通交/
邪馬台国以後の倭人社会/七支刀銘文と高句麗広開土王碑文/
『宋書』倭国伝の「倭の五王」/倭国内部の秩序形成/
東・西・北方の領域認識/被冊封国の「天下」認識
2 国家形成と世界認識
倭王武の限界性と六世紀の王権/政治的秩序の形成と国造/
推古朝の対等外交の主張と天孫意識/倭王の「大国」認識/
東アジア情勢の緊迫化と倭国の中央集権化
3 律令国家の成立
天武政権の誕生と天皇号の成立/
天智天皇の和風諡号と天命思想/天命思想と「天孫降臨」神話/
国土支配の完成と中華思想/律令国家の儒教思想/
神祇体系の再編と国家仏教/君主観の展開
4 平安時代の国家と政治思想
新皇統、桓武天皇の誕生/宮の構造と変化/
新羅認識の変化と中華思想の歴史認識化/
王土王民思想の形成と世界観の変化/矮小化する国家認識/
承平・天慶の乱と対外関係
2章 古代の社会思想
1 古代百姓の社会的性格
百姓と律令制国家/百姓と国司苛政上訴
2 律令制国家と百姓
百姓と百姓身分/百姓款・百姓愁状の展開
3 百姓の太政官越訴
越訴の展開/百姓の国司越訴
4 郡司・百姓の国衙襲撃
対馬・石見の国衙襲撃/愁訴と国衙襲撃
5 公門上訴と「門下」上訴
公門上訴の始原/国司苛政上訴の転成/門下上訴と門下濫吹
6 古代百姓論の展望
古代百姓の転変/公門上訴の意義
Ⅱ 中世の政治社会思想
1章 中世前期の政治思想
1 本章の課題
2 朝廷の秩序と理念
神国思想と朝廷/[コラム]平将門と「新皇」/平安時代の朝廷/
摂関の主導による朝廷再建運動/朝廷再建の精神
3 朝廷の動揺と再建運動
保元の乱/平治の乱/治承三年政変/一一八〇年代内乱
4 朝廷・幕府体制の成立と展開
朝廷・幕府体制の成立/承久の乱と朝廷再建運動/
朝廷再建運動の展開と終焉
5 本章のまとめ
2章 中世前期の社会思想
1 中世前期の民衆としての「百姓」
課題の設定/中世前期の百姓層
百姓層の解文・申状/解文・申状からみた百姓層の闘争課題/
百姓層の利害と本所の利害/百姓層の寺社への従属/
「安堵」を求める百姓層/権力者の統治原則との関連/
百姓層と起請文/中世前期の状況に関する総括
3 百姓層の規範意識・権利意識
百姓層の行動規範/百姓層の「正当性」認識と権利意識/
百姓層と文書主義/百姓層と成文法/「古老」の機能への依存
4 百姓層の他者認識と暴力
下層民に対する認識/武士への認識/百姓層と戦乱/
百姓層の暴力
5 中世後期への展望
3章 中世後期の政治思想
1 「武家」の政治的役割
「武家」の役割/『御成敗式目』と北条泰時/「徳政」の帰結
2 中世後期の「政治」の舞台
公武関係の再定義/世界像と歴史認識/公事と作法
3 中世的「政治」の爛熟
求心的構造における「政治」の所在/人為と神意/「権力」の可能性
4 「政治思想」の可能性
王法と仏法/知識の構造/「神国」をめぐって
5 中世的「政治」の終焉
求心的構造の動揺と「公事」の瓦解/[コラム]戦国大名領国/
「古典」の再生と継承
4章 中世後期の社会思想
1 「おさめる」行為
「おさめる」こと/公事の性格/年貢の性格/年貢と公事の関係/
公事の年貢化
2 「おさめる」行為の変容
守護に対する公事/戦場に向かう公事/
年貢と公事の分離と再構築
3 空間についての認識
京都よりも田舎/荘園空間と村空間/あらたな地域結合の創出
4 時間についての認識
裁判文書における村の始まり/イエの観念からみた時間認識/
在地の年代記にみる時間認識/平安王朝への憧憬
Ⅲ 近世の政治社会思想
1章 近世前期の政治思想
1 研究史の概観
2 大名と将軍
奉公と御恩/領知と家役/[コラム]誰からあずかった天下か/
平時の奉公
3 大名と家臣
戦時と平時/「主之為」/「侍役・侍之作法」/「被官之身」
4 大名と「仕置」
「国之仕置」/「仕置仕損」「奇特成仕置」/「所之作法」「国法」
5 外聞・恥・世間の取沙汰
外聞・恥・取沙汰/三者の関係
6 起請文と法度
起請文/法度
7 その後の展開
2章 近世前期の社会思想
1 近世の社会思想成立の一前提-その歴史的環境
時代の扉を開けると……/「家」の形成/家の興亡/
「仏事勤行今ニ怠ル事ナシ」/「外には王法を以おもてとす」/
庄屋年寄は「村中ノ仕置ヲスル役人」/「手カク事」・書籍・連誹
2 心の時代-「ままにならぬ心」
読書の時代-「『可笑記』をよみ候て心おち付申候」/
「仮名草子」の読書と作者/『浮世物語』の世界/
瓢太郎の思想形成/「ままにならぬ心」のゆくえ
3 近世的常識の形成と書物
書物の知の共有と古典の成立/社会の常識・社会通念の形成/
「御救」としての医療-医薬書の歴史的位置/
責務としての日和見-天文暦書の歴史的位置
4 書物がつなぐ国家・社会
書物を頒布する将軍/上書の時代
5 近世人の思想形成とコスモロジー
「天地の子」意識の形成/
既成のコスモロジーとの葛藤-安藤昌益の自然真営道
6 近世人の歴史認識の形成と書物
歴史の流れをいかにとらえるのか/歴史叙述と軍書/
百姓一揆物語の成立と歴史的位置/
[コラム]歴史をかたるということ-歴史叙述と偽文書の生成/
思想史における近世
3章 近世後期の政治思想
1 後期朱子学派の登場
田沼期の学問の状況/朱子学者西山拙斎の「休否録」
2 朱子学と「異学の禁」-頼春水の場合
頼春水と広島藩「天明異学の禁」/幕府の「寛政異学の禁」/
頼春水の理想とする社会像
3 朱子学者の政治的実践-頼杏坪の場合
杏坪の政治思想/杏坪の藩専売制廃止論/杏坪の土地租税政策
4 朱子学者の政治論の特質
頼春水の政治論/政治論の構築
4章 近世後期の社会思想
1 経済社会化と社会的危機意識
田畑の荒廃現象/貨幣経済の恐さ/凶作・飢饉の原因論/
米騒動・打ちこわしの行動原理/商人悪徳観への反駁と商人道
2 セーフティネット(危機管理)の思想
建部清庵『民間備荒録』/社倉・義倉論の展開/
儒学思想の読みなおし/町人の救貧・救飢活動
3 地域起こし・建てなおしの思想
農家の益/尊徳仕法/先祖株組合/地域社会を支える学問・思想
4 民衆の生活意識と行動
都市に向かう人びと/北へ向かう人びと/
民俗(フォークロア)の活用・動員/世直しの意識と逸脱/
[コラム]菅江真澄と古川古松軒-地方・地域への眼差し
Ⅳ 近代の政治社会思想
1章 近代の政治思想
1 ナショナリズムの特質
ナショナリズムの定義/近代日本のナショナリズム論の諸形態
2 明治維新期のナショナリズム
幕末のナショナリズム/
対外膨張の国家主義的ナショナリズム論/華夷思想
3 啓蒙・自由民権論者のナショナリズム
非侵略的な立憲主義的ナショナリズム論/
自由民権右派のナショナリズム論
4 大正デモクラットのナショナリズム
立憲主義的な帝国主義的ナショナリズム/
第一次大戦後の大正デモクラット
5 権力の国家主義的な帝国主義的ナショナリズム
権力のナショナリズム論の特色/徳富蘇峰
6 社会主義的ナショナリズム
幸徳秋水の言説/山川均のナショナリズム論
7 ウルトラ・ナショナリズム
急進的なウルトラ・ナショナリスト/
権力のウルトラ・ナショナリズム論/企画院官僚の言説
8 教員と仏教家の言説
初等・中等学校の教員/仏教家/[コラム]生かされる論理と倫理
2章 明治期の社会思想
1 文明開化期の社会思想
社会開化の思想/「毒婦」の群れ/「革命」から「改良」へ
2 新世代の社会思想
ジャーナリズムの新展開/「平民主義」の思想/
「国民主義」(「国粋主義」)の思想
3 産業革命と「社会主義」思想
産業革命の進展/労働者(高島炭坑夫)救済の思想/
人権・生活権・環境権の闘い(足尾鉱毒闘争)の思想/
『職工事情』の世界/明治社会主義/非戦・反戦の思想
4 価値観の転換
「士風」の衰退と「痩我慢の説」/「拝金主義」と「共和演説事件」
5 「一等国」の社会思想
「国民的使命観」と「開国五〇年」の思想/「明治大帝」の死去と国民
3章 大正・昭和前期の社会思想
1 主体形成の論理
教養主義と修養主義/社会運動の思想とマルクス主義の衝撃/
異民族との接触と帝国意識
2 都市文化と伝統文化
都市大衆文化の展開/民衆文化の発掘と再生
3 反近代と近代の相克
新宗教の発展/技術者の思想
付録 索引 参考文献