《歴史のフロンティア》第二帝政とパリ民衆の世界 「進歩」と「伝統」のはざまで

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解説: 産業化と都市化の進む19世紀のパリ。伝統的社会とのはざまに揺れながら,新しい時代に向かう民衆の姿を,5人の労働者エリートを軸に描く。
ISBN:
978-4-634-48180-0
シリーズ: 歴史のフロンティア
著者: 木下賢一 
刊行:
2000年11月
仕様: 四六判  ・  336ページ
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目次:
序章 産業化と労働者エリート
第一章 ロンドン万国博覧会とトラン 労働者エリートの登場
 1.ナポレオン公とパリの労働者たち
 2.ロンドン万国博覧会
 3.アンリ・トランとその思想
第二章 労働信用組合とブリューズ ブルジョワと労働者エリート
 1.労働信用組合の設立
 2.ブリューズとその思想
 3.労働信用組合の展開
第三章 パリ万国博覧会とタルタレ 産業化と労働者エリート
 1.万国博覧会労働者代表
 2.労働者委員会
 3.ウジェーヌ・タルタレ
 4.労働者代表総会
第四章 パリ民衆の世界 帝都パリと民衆の日常世界
 1.舞台としてのパリ
 2.パリ民衆の形成
 3.パリ民衆と革命的伝統
第五章 公開集会とブリオヌ 「革命的」民衆と労働者エリート
 1.公開集会と全体像
 2.公開集会と民衆
 3.ブリオヌ-弁士と聴衆
 4.公開集会の世界像
第六章 インターナショナルとヴァルラン 社会の「再生」を求めて
 1.ヴァルランと修業時代
 2.インターナショナルの転換
 3.ストライキと政治
 4.政治革命と社会革命
終章 「進歩」と「伝統」のはざまで
あとがき

付録
索引/文献案内/本文引用史料・文献一覧/図表出典一覧  
メッセージ・あとがき:
19世紀のパリ民衆の世界というと,まず頭に浮かぶのは,ユゴの『レ・ミゼラブル』やゾラの『居酒屋』,あるいはドラクロワの『民衆を導く自由の女神』,映画では『天井桟敷の人びと』であろうか。それは貧困と犯罪と反乱の世界である。しかし,そのような惨憺たる状況のなかにありながら,とにかく民衆はじつに生き生きとして魅力的なのだ。彼らは歴史の舞台でまぎれもなく主役を演じていた。豊かさのなかで現実にたいする無力感におちいっているわたしたちにとって,貧困のなかで自己を主張し行動する彼らの姿は,いまなお新鮮である種の感動を与えてくれるように思われるのだが…