《イスラームを知る》12. イスラーム銀行 金融と国際経済

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1,320円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 30年ほど前に,聖典クルアーン(コーラン)で「利子」を禁止されたイスラーム社会で誕生した独自の金融システム「イスラーム銀行」。折からの石油戦略の発動によって,国際経済の舞台で存在感を増したイスラーム諸国における「利子なき金融」の理念と実態を明らかにする。
ISBN:
978-4-634-47472-7
シリーズ: イスラームを知る 12
著者: 小杉泰  長岡慎介 
刊行:
2010年2月
仕様: A5判  ・  128ページ
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目次:
イスラーム銀行と現代の国際経済
第1章 イスラーム銀行の誕生
  イスラーム復興のうねり
  商業的なイスラーム銀行の始まり
第2章 なぜ、利子はいけないのか
  七世紀のアラビア半島と商都マッカ
  聖典のなかの「利子」
  リバー禁止の四つの根拠
  国際貿易の繁栄
  近代化とイスラーム社会の苦悩
  銀行の利子と現代リバー論
第3章 イスラームの経済思想
  聖典クルアーンにみる「宗教と経済」
  イスラーム法の仕組み
  信仰行為と経済の関係
  経済活動における公平性
第4章 世界に飛躍するイスラーム金融
  イスラーム金融の黎明(1940~60年代)
  中東におけるイスラーム金融ブーム(1970年代)
  新たな挑戦と試練の時代(1980年代)
  飛躍に向けたインフラの整備(1990年代)
  イスラーム金融の急成長とグローバル化(2000年代)
第5章 イスラーム金融のつくり方
  イスラーム金融の二つの新しさ
  商取引手法から金融商品へ
  ムダーラバ契約
  ムシャーラカ契約
  ムラーバハ契約
  イスティスナーウ契約、サラム契約
  イジャーラ契約
  カルド・ハサン契約
  だれがイスラーム金融をつくっているか?
第6章 イスラーム金融から世界経済が見える
  イスラーム金融の地域的多様性
  イスラーム金融の進化とそれにともなう批判と課題
  イスラーム金融の将来像をめぐって
  人類史のなかのイスラーム金融

コラム
  イスラーム型保険(タカーフル)
  契約書
  日本とイスラーム金融

参考文献
図版出典一覧  
メッセージ・あとがき:
イスラーム教徒の考え方や行動の様式は,日本人の場合とはかなり異なっている。そこにイスラーム理解の難しさもあるし,同時にイスラームを知る意義もあるといえよう。現代の私たちは,グローバル化したイスラームの宗教や文明に向き合い,これをさらに深く理解する必要に迫られている。「イスラームを知る」シリーズは,全国的な共同研究「NIHU(人間文化研究機構)プログラムイスラーム地域研究」の成果であり,異文化理解へ向けて信頼ある案内役を果たしてくれるものと信じている。