《イスラームを知る》7. イスラームへの回帰 中国のムスリマたち

価格
1,320円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: いまや中国の西北部の農村のみならず,沿海部の都市にも進出するイスラーム教徒たち。しかし,農村の貧困地帯で差別されるイスラーム女性,ムスリマたちの現実は厳しい。教育に未来を託する彼女たちの姿をオーラルヒストリーで描く。
ISBN:
978-4-634-47467-3
シリーズ: イスラームを知る 7
著者: 松本ますみ 
刊行:
2010年5月
仕様: A5判  ・  120ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
義烏・広州の経済発展とイスラーム
第1章 中国の民族政策とイスラーム政策
  現代中国の民族・宗教問題
  イスラームを信じる人びと
  「回族」の形成史
  宗教的エスニシティ 回族
  民族政策のあらまし
  管理される宗教 組織を利用した反差別
第2章 中国のさいはて西北
  イスラームと西北
  近代と西北開発
  公立学校と西北少数民族
  西北回族女性の非識字/半識字
    ジェンダー、宗教、エスニシティ、貧困 
  女児就学率上昇のための三つの切り札
  女児教育の課題
第3章 女学という選択
  イスラーム女学の前身
  「本質主義」の男女平等か、聞こえぬ声か
  中華民国時代のイスラーム女子教育をめぐる「賢妻良母」言説
  女学の実態
  女学設立の意図
  反右派闘争、文化大革命における宗教弾圧
  ムスリマ自身が望んだ宗教教育へ
第4章 女学の学生、教師の今
  二十一世紀の女学の隆盛
  イスラーム的女性をめざす教学内容
  ヴェールとイスラーム知識のリンケージ  
  再解釈されたイスラーム主義
  女性のエージェンシー
  ジェンダー、宗教、エスニシティ、貧困、モダニティ
  女学 その脆弱さと周縁性
イスラーム・フェミニズムの実験

女学の生徒たち アンケート調査結果
参考文献
付録地図(寧夏回族自治区)
図版出典一覧  
メッセージ・あとがき:
イスラーム教徒の考え方や行動の様式は,日本人の場合とはかなり異なっている。そこにイスラーム理解の難しさもあるし,同時にイスラームを知る意義もあるといえよう。現代の私たちは,グローバル化したイスラームの宗教や文明に向き合い,これをさらに深く理解する必要に迫られている。「イスラームを知る」シリーズは,全国的な共同研究「NIHU(人間文化研究機構)プログラムイスラーム地域研究」の成果であり,異文化理解へ向けて信頼ある案内役を果たしてくれるものと信じている。