《物語の舞台を歩く》11.能 大和の世界

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1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 晩年の世阿弥が記した「井筒」「当麻」「野守」などの能は, いずれも大和(奈良)の地を舞台とした作品。その能作傾向は息子らにも影響を及ぼして,今日に多くの大和物の能作を残すに至る。彼らは自身の原点に関して,芸能の世界においてどう表現したのか。大和物能作の世界を紹介する。
ISBN:
978-4-634-22510-7
シリーズ: 物語の舞台を歩く 11
著者: 松岡心平 
刊行:
2011年5月
仕様: 四六判  ・  208ページ
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目次:
1章 世阿弥とは
 1 大和の大地の子,世阿弥
   世阿弥の生涯/奈良回帰と能作/世阿弥の奈良意識/
   故郷としての奈良
2章 奈良坂
 1 「翁」
   奈良豆比古神社の翁舞/神社の巨樹/奈良山から奈良坂へ/
   百万の道行/清凉寺大念仏会と南都律宗/神社の能・狂言面
 2 「重衡」
   般若寺と平重衡/修羅能「重衡(笠卒都婆)」/
   フラッシュバックに苦しむ重衡/笠卒都婆と律宗
3章 春日野
 1 「海人」
   能「海人」の物語/藤原氏の伝説/南円堂と補陀落浄土/
   西大寺流律宗と支度寺
 2 「采女」
   采女の悲話/竜女としての采女/鳴雷神社から猿沢池へ/
   能「采女」と春日山と猿沢池
 3 「春日竜神」
   春日竜神の世界/太郎・明恵上人と次郎・解脱上人/
   釈迦信仰と「百万」/飛火の野守
4章 石上・布留の里
 1 「井筒」
   名作「井筒」と在原寺/中世の『伊勢物語』の理解/
   石上というトポス/柿本人麻呂の墓/殷富門院大輔の文学散歩/
   寂蓮法師の文学散歩/在原寺は在った/在原寺を廃墟と描く
 2 「布留」
   石上神宮と「布留」/世阿弥の自作解説/杉と剣と滝と
5章 三輪・初瀬
 1 「三輪」-大神神社・玄賓庵
   女婆と三輪の神/玄賓庵/三輪明神の出現/神婚説話/
   天の岩戸伝説/檜原神社/三輪流神道
 2 秦河勝
   観世と長谷寺観音/初瀬川と秦河勝/翁と十一面観音/
   金春の由来/渡来系の芸能
 3 「玉鬘」-二本の杉
   舟をあやつる玉鬘/玉鬘の物語/二本の杉/恋する玉鬘/
   再び玉鬘の物語/「蛍」の巻と「篝火」の巻/「野分」の巻/
   藤原定家の『源氏』理解/金春禅竹の読み/
   つくも髪と寝乱れ髪/げに妄執の雲霧の/禅竹の定家好み/
   禅竹の作劇法
6章 当麻の里
 1 中将姫伝説
   中将姫の結界破り/雲雀山伝説/花売りと真土宿/當麻曼荼羅/
   石光寺/世阿弥の極楽浄土能/二上山
7章 越智
 1 観世元雅の立場
   観世元雅/観世両座/世阿弥・元雅の没落/
   『申楽談儀』と天川の尉面/下克上の時代へ/越智氏と光雲寺/
   世阿弥と元雅の仲/越智の里と能「田村」