浮世絵でたどる! 江戸の凸凹地形散歩

価格
2,200円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 江戸時代に描かれた浮世絵をもとに、じつは江戸の名所として庶民に親しまれていた江戸の凸凹地形が現代の東京の風景のなかではどのような姿をしているのかをたどる。浮世絵をキーにしながら、その凸凹地形の今と昔をたどることで、現代の東京に潜む江戸を体感できるという新しい江戸歩き本。
ISBN:
978-4-634-15243-4
著者: 渡邉晃 
刊行:
2023年12月
仕様: A5  ・  208ページ
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目次:
はじめに 浮世絵で楽しむ江戸の凸凹地形
 江戸の地形を一望する浮世絵 / ビルに覆われた東京の地形を想像する /
 失われた地形を想像する手がかりとして

序章 歌川広重「名所江戸百景」を地形で読み解く 
 広重の描く名所は、なぜ台地の際に並ぶのか? / シリーズに見る「台地」の割合 /
 定番の名所と「台地」 / 台地という地形がもたらす演出 /
 出版時期に見る「台地」と「低地」 / 『絵本江戸土産』に見る「台地」と「低地」 /
 作画地点に見る広重の意図 / 「描かれた名所」と「描かれなかった名所」

1章 湯島天神や神田明神が並ぶ凸凹地形の聖地を歩く 
 〈御茶ノ水〉土木工事で生まれた大渓谷 / 〈湯島聖堂〉人工の崖に建つ名所 /
 〈湯島天神・神田明神〉本郷台の崖線に並ぶ古社 / 〈芥坂〉江戸の公衆トイレ?

2章 広重の名作が数多く残る江戸随一の絶景をたどる 
 〈飛鳥山〉花見の名所の眺望 / 〈王子稲荷神社〉関東の稲荷の総元締め/
 〈堰と滝〉石神井川が削った渓谷

3章 変わらぬ坂の勾配を感じながら江戸名所をめぐる 
 〈淀橋台・目黒台〉目黒川を境に広がる台地 / 〈行人坂・目黒不動尊〉高低差という演出 /
 〈千代が池・爺々が茶屋〉高低差を活かした絶景 / 〈富士塚〉崖地を利用したミニ富士山

4章 北斎も描いた寛永寺と「上野半島」をまわる 
 〈上野広小路〉上野台と門前/〈寛永寺〉北斎が描いた境内/
 〈不忍池〉二つの台地に挟まれた池 / 〈日暮里・道灌山〉高台を利用した行楽地

コラム1 広重は坂道好きの元祖?

5章 江戸城の外濠と内濠が織り成す凸凹地形を歩く 
 〈水道橋〉本郷台からの眺め / 〈駿河台〉取り残された台地 /
 〈九段坂・中坂〉江戸の名所として知られた坂 /
 〈神楽坂・揚場町〉外濠のそばにある坂と滝 / 〈市谷亀岡八幡宮〉崖の上に建つ社殿

6章 海と台地が生み出した愛宕山や御殿山からの眺望を楽しむ 
 〈愛宕山〉23区の最高峰 / 〈増上寺〉もう一つの菩提寺/
 〈高輪・品川〉江戸の南の玄関口 / 〈御殿山〉失われた名所  
7章 滝があった!?霞が関や溜池山王で江戸の痕跡を探す 
 〈霞が関〉官庁街から空をあおぐ / 〈桜田濠〉広大な濠と名水の井戸 /
 〈溜池〉かつて存在した滝と金毘羅大権現 / 〈日枝神社〉山王権現を祀る社の今と昔 /
 〈赤坂見附・紀伊国坂〉雨の名品と大名行列の坂

コラム2 「すやり霞」に隠されたもの  

8章 浅草寺・新吉原……微高地が生んだ江戸の歓楽地をめぐる 
 〈浅草〉浅草寺を中心に栄える / 〈待乳山〉浅草を一望する丘 /
 〈新吉原〉日本堤を通って江戸の歓楽街へ / 〈向島〉三囲神社の大鳥居と隅田堤

9章 江戸を発展させた水路と埋め立ての記憶をたどる 
 〈日本橋〉江戸の中心地として栄える / 〈八丁堀〉江戸の舟運を支えた水路 /
 〈日比谷〉入江の記憶 / 〈築地・佃島〉江戸期の代表的埋め立て地

10章 現代へ続く埋め立てによって誕生した江戸の開拓地 
 〈三ツ俣〉隅田川の交差点と幻の繁華街 / 〈小名木川〉開拓の始まり /
 〈富岡八幡宮〉開拓の歴史と深川の象徴 / 〈木場〉江戸の発展を担った貯木場 /
 〈洲崎〉埋め立て地を俯瞰する

おわりに  

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