「室町殿」の時代 安定期室町幕府研究の最前線

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1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 日本史上、地味な時代の代名詞だった室町時代がいま関心を呼んでいます。
ただ、そのなかでも一般的に室町幕府は義満期までの南北朝の争乱、応仁の乱以降の戦国時代の印象が強く、その間の室町時代中期について印象が弱いといえます。
しかし室町幕府は、その時代こそが安定期(最盛期)というべき時期であり、当該期を理解することが、室町時代を理解するために必須だといえます。
本書では、その安定期に君臨した4人の将軍(3代義満・4代義持・6代義教・8代義政)の時代に注目します。
彼らは現在の歴史学界で、「摂政以上院未満」という、武家だけでなく天皇の擁護者として公家も統べる、将軍を超越した時代の指導者「室町殿」と位置付けられています。
室町殿という存在から、室町幕府の性格や諸機関との関係を検討し、鎌倉幕府とも江戸幕府とも異なる点を含めた「室町幕府とは何か」について、新進気鋭の研究者による15本の論考によって、最新研究を紹介しながら明らかにしていきます。
ISBN:
978-4-634-15208-3
著者: 久水俊和  日本史史料研究会監修  山田徹  石原比伊呂  遠藤珠紀  川口成人  駒見敬祐  藤井崇  永山愛  生駒哲郎  芳澤元  相馬和将  辻浩和   呉座勇一  松井直人 
刊行:
2021年12月
仕様: B6変(120×182㎜)  ・  352ページ
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目次:
はじめに―中世国家の最高責任者、「室町殿」とは何か?  久水俊和
序章 「室町殿」とよばれた四人の足利将軍  久水俊和
第Ⅰ部 室町幕府の運営体制
 第一章 【室町殿と訴訟】室町殿は、訴訟・紛争にどのように対処したのか?  山田徹
 第二章 【将軍と天皇の関係】足利家と天皇家の一体化は、どのように進行したのか?  石原比伊呂 
 第三章 【幕府と朝廷の実務官僚】協業関係が成立していた朝廷の官人、幕府の官僚  遠藤珠紀
 第四章 【中世国家と幕府財政】同一の帳簿を用いる「公武共同」の財政構造  久水俊和
第Ⅱ部 室町幕府と都鄙
 第五章 【幕府と在京大名】幕府の全国支配と「在京大名」の重要な役割とは?  川口成人
 第六章 【幕府と東国情勢】「鎌倉府」の盛衰を左右した幕府・鎌倉公方の対立  駒見敬祐
 第七章 【幕府と九州情勢】九州・上方で活躍する周防国・大内家の歴代当主  藤井崇
 第八章 【幕府の軍事編成】室町殿は、どのように軍事指揮を執っていたのか?  永山愛
第Ⅲ部 室町幕府と宗教
 第九章 【幕府と武家祈禱】室町殿の“身体護持”を担う門跡寺院と護持僧  生駒哲郎
 第十章 【幕府と五山】“巨大企業体”のような組織だった禅僧集団  芳澤元
 第十一章【幕府と山門】比叡山延暦寺を牽制した「山門使節」制度とは何か?  相馬和将
第Ⅳ部 室町幕府を取り巻く社会状況
 第十二章【幕府と室町文化】幕府とともに新興文化を支えた芸能者・被差別民  辻浩和
 第十三章【幕府と土一揆】「土一揆」は、中世社会における「訴訟」行為だった  呉座勇一
 第十四章【幕府と戦乱】「嘉吉の変」と「応仁・文明の乱」―幕府解体への契機  松井直人

室町殿関連年表
執筆者・編者紹介