歴史のなかのカタルーニャ -史実化していく「神話」の背景

価格
2,750円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 2017年10月、スペイン北東部の州カタルーニャで起こった独立をめぐる騒動は、世界中の注目を集めた。あの騒動はどうして起こったのか。その根底には、「国民国家」という神話に対する様々な問題が潜んでいることが、歴史を通して見ることでわかってくる。現在も続くカタルーニャの独立問題をテーマに、「国民国家」という神話について考える。
ISBN:
978-4-634-15162-8
著者: 立石博高 
刊行:
2020年2月
仕様: 四六  ・  272ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
はじめに――単一アイデンティティの追及と社会的軋轢の増加
 二〇一七年十月の「独立宣言」
第1章 カタルーニャ州とアイデンティティの錯綜
 第1節 カタルーニャ州の領域的特徴
 第2節 カタルーニャ州域内の対立
第2章 州政府のアイデンティティ強化政策
 第1節 プジョルと国民形成
 第2節 歴史学と教育
第3章 地中海帝国の記憶
 第1節 建国の「神話」
 第2節 中世のカタルーニャ
第4章 近世スペインとカタルーニャ 
 第1節 スペイン帝国に包摂されたカタルーニャ公国
 第2節 「ネイション」の喪失とブルボン朝の中央集権化
第5章 国民国家形成とカタルーニャ
 第1節 スペイン国民国家への期待
 第2節 地域ナショナリズムの始動
第6章 王政復古からスペイン内戦までの動きと地域ナショナリズム
 第1節 王政復古体制と地域ナショナリズムの展開
 第2節 第二共和制とカタルーニャ自治憲章
 第3節 スペイン内戦とカタルーニャ
第7章 フランコ独裁に抗して
 第1節 フランコ体制下の苦悩
 第2節 独裁体制からの脱却
第8章 ポスト・フランコの時代
 第1節 民主化と自治憲章の獲得
 第2節 プロセス戦略の先鋭化と独立の夢
おわりに――アイデンティティ複合を許容すること
〈補〉講演録 歴史のなかのカタルーニャ・アイデンティティ
基本参考文献
あとがき