増補版 良心の興亡 近代イギリス道徳哲学研究

価格
2,750円 (税込)
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解説: 良心は、人間に生まれつきそなわった能力なのだろうか。「良心的な価格」「良心的な対応」など、日常でも用いられるこの言葉について、歴史上もっとも盛んに議論されたのが近代のイギリスであった。ホッブズ、ヒューム、アダム・スミスらは、良心を追求することで何を導き出したかったのだろうか。
本書は、良心の思想の系譜を辿るとともに、その背景にひそむ自己愛、利己心との関係を明らかにし、かつては倫理学の中心であった良心についての議論を通覧しながら、さらに人間の主体性にも迫っていく。 
ISBN:
978-4-634-15096-6
著者: 柘植尚則 
刊行:
2016年6月
仕様: 四六判  ・  296ページ
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目次:
  まえがき
  序論

第一章 誕生――ケンブリッジ・プラトニスト、シャフツベリ
 1.道徳的行為者
 2.徳と利益

第二章 第一の完成――ジョセフ・バトラー
 1.人間本性
 2.良心と自己愛

第三章 転回――ハチスン、ヒューム
 1.観察者
 2.称賛されること

第四章 第二の完成――アダム・スミス
 1.内なる観察者
 2.称賛に値すること
 3.適宜性

第五章 終焉――J・S・ミル、ダーウィン
 1.義務感
 2.社会的本能

  結論

  補論――近代イギリス道徳哲学における利己心の問題
   1.17世紀
   2.18世紀
   3.19世紀
   4.持論の特徴  
まえがきより:
良心の「興亡」の背景には、「自己愛(利己愛)」がつねに存在していた。良心は、自己愛に対抗する原理と見なされて、重んじられた。だが、のちに、そうした原理を考える必要がなくなり、さらに、そうした原理として役に立たないと見なされて、棄てられたのである。本書では、近代イギリスのモラリストたちの議論を辿りながら、良心の興亡の背景に自己愛が存在していたことを明らかにしていきたい。 (まえがきより)