「世界のクロサワ」をプロデュースした男 本木荘二郎
価格: |
1,980円 (税込)
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解説: | 「本木がいなきゃ俺の映画はできない」(黒澤) 日本映画の巨匠と呼ばれ、スピルバーグらにも多大な影響を与えた黒澤明。「生きる」「七人の侍」などの傑作を生み出していく快進撃の背後には東宝の名プロデューサー、本木荘二郎の力があった。 ところが黒澤の最大の理解者ともいえる本木は「蜘蛛巣城」を最後に黒澤と決別、東宝を去ってピンク映画界に身を投じる。何が二人の男の一生を分けたのか……。 長年にわたり謎とされてきた二人の決別の真相に迫り、黒澤映画の世界に新たな光を当てる意欲作。 |
ISBN: | 978-4-634-15094-2 |
著者: | |
刊行: |
2016年8月
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仕様: | 四六判 ・ 312ページ |
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目次:
序章 試写室
国立近代美術館に眠るフィルム/黄金期の黒澤作品をプロデュース/日本映画史上最大のミッシングリンク/フィルムから浮かび上がる職人技/生涯手放さなかった金獅子像/日本映画史に「本木荘二郎」を位置づける
第1章 通夜
あるピンク映画監督の死/どんなに偉い人かなんて知らなかった/知人の部屋に転がり込んで/なにが男の一生を分けたのか/電話口で絶句した黒澤
第2章 青春
PCL撮影所/本木と黒澤の出会い/アナウンサーから映画界へ/山本嘉次郎門下に入る/本木の助監督時代/プロデューサーへの転身
第3章 焼け跡
終戦後の再会/黒澤、『姿三四郎』で監督デビュー/GHQの規制との闘い/喜劇『東京五人男』をプロデュース/これは民主主義映画の良作だ/新進脚本家・植草圭之助と組む/『素晴らしき日曜日』の企画化/敗戦日本の青春映画を作ろう/本木の妙案と映画の成功
第4章 闇市
闇市を舞台にした映画を撮らないか/大きな沼を作れ/本木が連れてきたやくざがモデルに/三船敏郎を起用/『酔いどれ天使』こそおれの写真だ/「東宝争議」の勃発/本木ら、「映画芸術協会」を結成/『野良犬』のナレーションは誰か/菊島隆三の参加
第5章 グランプリ
日本映画界の記念碑/イタリア人映画関係者の目にとまる/グランプリってなんや?/橋本忍に届いた本木からの手紙/黒澤と橋本の邂逅/大映幹部を唸らせた本木の「ホン読み」/なんかようわからん/「世界のクロサワ」へ/脚本が読めるプロデューサーは本木だけ/消えた金獅子像
第6章 復興
東宝復帰の打診/独立プロ運営の難しさ/芸術と通俗の両輪/本木の東宝復帰と結婚/黒澤・本木コンビで動き出した『生きる』/小国英雄を抜擢/映画賞を総なめにする大ヒット
第7章 侍
時代劇の革新に挑む/橋本脚本に納得しない黒澤/『七人の侍』誕生の瞬間/出口の見えない長期撮影/上層部とのギリギリの交渉/予想外の記録的大ヒットに/野心みなぎる『羅生門』トリオ/黒澤のネバリと本木の胆力
第8章 問題作
『白痴』『生きものの記録』は失敗作か/黒澤の「最も好きな作品」/本木の堂々たる「製作宣言」/フィルムを縦に切れ! /行方不明の黒澤オリジナル版/『生きものの記録』を生んだ早坂文雄の一言/原爆の洗礼を受けた日本人がやるべき仕事/あえて「問題作」に挑んだ本木の意志
国立近代美術館に眠るフィルム/黄金期の黒澤作品をプロデュース/日本映画史上最大のミッシングリンク/フィルムから浮かび上がる職人技/生涯手放さなかった金獅子像/日本映画史に「本木荘二郎」を位置づける
第1章 通夜
あるピンク映画監督の死/どんなに偉い人かなんて知らなかった/知人の部屋に転がり込んで/なにが男の一生を分けたのか/電話口で絶句した黒澤
第2章 青春
PCL撮影所/本木と黒澤の出会い/アナウンサーから映画界へ/山本嘉次郎門下に入る/本木の助監督時代/プロデューサーへの転身
第3章 焼け跡
終戦後の再会/黒澤、『姿三四郎』で監督デビュー/GHQの規制との闘い/喜劇『東京五人男』をプロデュース/これは民主主義映画の良作だ/新進脚本家・植草圭之助と組む/『素晴らしき日曜日』の企画化/敗戦日本の青春映画を作ろう/本木の妙案と映画の成功
第4章 闇市
闇市を舞台にした映画を撮らないか/大きな沼を作れ/本木が連れてきたやくざがモデルに/三船敏郎を起用/『酔いどれ天使』こそおれの写真だ/「東宝争議」の勃発/本木ら、「映画芸術協会」を結成/『野良犬』のナレーションは誰か/菊島隆三の参加
第5章 グランプリ
日本映画界の記念碑/イタリア人映画関係者の目にとまる/グランプリってなんや?/橋本忍に届いた本木からの手紙/黒澤と橋本の邂逅/大映幹部を唸らせた本木の「ホン読み」/なんかようわからん/「世界のクロサワ」へ/脚本が読めるプロデューサーは本木だけ/消えた金獅子像
第6章 復興
東宝復帰の打診/独立プロ運営の難しさ/芸術と通俗の両輪/本木の東宝復帰と結婚/黒澤・本木コンビで動き出した『生きる』/小国英雄を抜擢/映画賞を総なめにする大ヒット
第7章 侍
時代劇の革新に挑む/橋本脚本に納得しない黒澤/『七人の侍』誕生の瞬間/出口の見えない長期撮影/上層部とのギリギリの交渉/予想外の記録的大ヒットに/野心みなぎる『羅生門』トリオ/黒澤のネバリと本木の胆力
第8章 問題作
『白痴』『生きものの記録』は失敗作か/黒澤の「最も好きな作品」/本木の堂々たる「製作宣言」/フィルムを縦に切れ! /行方不明の黒澤オリジナル版/『生きものの記録』を生んだ早坂文雄の一言/原爆の洗礼を受けた日本人がやるべき仕事/あえて「問題作」に挑んだ本木の意志
黒澤が温めていた「マクベス」の映画化/映画界を驚かせた本木の構想/『七人の侍』を超える過酷な現場/黒澤に宿りはじめた狂気/橋本忍が語った本木降板の真相/東宝元製作部長が語る本木像/消えた超大作『源平盛衰記』構想/ああ金にだらしがないんではしようがねえよ
第10章 肉体
黒澤の娯楽時代劇路線/『肉体自由貿易』で監督デビューした本木/ピンク映画黎明の時代/俺はな、リヤカーに台本積んで……/本木さんは胸を張ってやっていた/一人のカツドウヤとして/東宝、松竹の王道を知っていた人
第11章 復活
東京オリンピック/山本晋也が語る本木との思い出/『壁の中の秘事』事件/『赤ひげ』と『女の性』/黒澤映画は「一将功なりて万骨枯る……」/優しくて品格ある方/東宝から舞い込んだ製作依頼/かつての大先輩に感じた「人生の哀れ」
第12章 天と地と
新宿西口駅前/俺の後を継いでやってくれ/ピンク映画の斜陽化/製作費アップ闘争と本木の死/未だ解明されない本木監督作品の全貌/天駆ける黒澤の苦悩/挫折するハリウッド進出/本木は黒澤に使われていたのではない/マキノ正博から学んだ映画術/映画人とカツドウヤ/「本の読めるプロデューサーは本木だけ」の真意/本木は黒澤映画の犠牲者だったか/黒澤との「真の友情」/天と地とを生きた二人
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