昭和の戦争と独立 21世紀の視点で振り返る

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1,760円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 1部で戦争という極限状態で浮かび上がった日本人の組織の欠点を語り、2部では領土問題や日米安保など昨今話題になる戦後史をわかりやすく解説する。人気講義の書籍化第2弾。
ISBN:
978-4-634-15040-9
著者: 保阪正康 
刊行:
2013年8月
仕様: 四六判  ・  304ページ
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目次:
第一部 昭和の戦争
 第1章 原発事故と太平洋戦争
     二つの失敗、その共通点
  原発事故と昭和の戦争/日本の科学技術の敗北/
  非常時に弱い日本の組織/恐るべき楽観主義/
  「勝つ」ことが排除したもの/あの戦争と原発事故にあった「想定外」/
  「ヒロシマ・ナガサキ・フクシマ」にさせないために

 第2章 「勝利」-快進撃に隠された組織の非合理
     真珠湾攻撃、シンガポール作戦、比島作戦
  二十六の戦闘と五つの戦局/「勝利」期の日本の戦略/
  真珠湾攻撃の「目的」と「手段」の関係/
  徹底されなかった真珠湾攻撃の目的/
  マレー上陸と「からゆきさん」/「イエスかノーか」は恫喝だったか/
  格調高かった降伏勧告文/「歴史的意思」なき思考の限界/
  比島作戦をめぐる対立/聞き入れられない合理的な意見/
  軍中央から排除される「旧制中学」出身者

 第3章 「挫折」-組織のメンツが生む隠ぺいと愚劣な作戦
     ミッドウェー作戦、ガダルカナル争奪戦
  不可解な戦争指導/矛盾を糊塗した第二段作戦/
  積極策として生まれたミッドウェー作戦/
  判断ミスで空母四隻喪失/多くの教訓を残した戦い/
  「陸軍にもいうな」組織ぐるみで隠ぺい/
  ガダルカナルへの米軍上陸/失敗を繰り返して「餓島」に/
  省みなかったガダルカナルの戦略価値/
  陸海軍のメンツが失敗を拡大

 第4章 「崩壊」そして「解体」「降伏」
    -建前と観念、組織対立の果てに
     アッツ・サイパン・レイテ決戦と沖縄戦
  昭和十八年以降の戦局/アッツ島攻略の意味/
  太平洋戦争での初めての「玉砕」/
  「見殺し」を美談に仕立てた大本営の思想/「絶対国防圏」/
  サイパンは「難攻不落の要塞」/「絶対落ちない」島の早かった陥落/
  民間人を死に追いやったもの/
  五十二万人が死んだフィリピン戦線/レイテ決戦の悲劇/
  大戦果への疑惑/握りつぶされた電報/
  真実を隠ぺいした海軍の罪/「降伏」期を象徴する沖縄戦/
  「幻想の世界」にすがる大本営作戦部/
  ゆらぐ沖縄守備軍の持久方針/目的を雲散霧消させた官僚主義/
  誇大に見積もられた特攻の戦果/
  沖縄戦を「本土決戦」と考える歴史的意思を

 第5章 あの戦争を新視点で考えるナイフとフォー