ご挨拶
■はじめに
山川出版社は昭和23(1948)年、東京大学史学会の機関誌「史学雑誌」を出版する会社として始まりました。以後、昭和26年から文科省検定教科書の出版に携わり、平成30年(2018)年に創業70年を迎えた今も大きく事業ドメインを変えることなく、主に社会科教科書や学習参考書を発行しています。会社設立当初から理念は変わらず「人文科学の分野から文化の発展に貢献する」ことです。自然科学の進歩と文化の発展は人類の進歩の両輪であると考えます。学問の基礎を充実・発展させることによって、文化全般がバランスよく向上し、それにより社会貢献を果たせることを使命と考えております。
■歴史の"山川"として
人文科学の中でも、とくに歴史学を中心に多くの書籍を刊行しております。 おもな刊行物としては、「世界歴史大系」「世界各国史」「宗教の世界史」「世界史・日本史リブレット」「日本歴史大系」「新体系日本史」「県史(全国版)」「歴史散歩(全国版)」「日本史リブレット"人"」をはじめとする多くのシリーズがあり、辞典分野でも、20世紀の日本史学を統括する「日本史広辞典」をはじめ、「日本史・世界史小辞典」「日本思想史辞典」を刊行し、歴史学の必携書としての評価をいただいております。 研究学術書の分野でも、歴史学界に大きな足跡を残す多くの論集を刊行しております。また、70周年企画として世界史「歴史の転換期」日本史「日本の伝統文化」シリーズを刊行し、新たな視点から歴史を俯瞰する試みをしております。
■教科書・学習参考書の"山川"として
1951(昭和26)年に刊行した「世界史」「日本史」(ともに史学会編)が翌52年、文部省検定教科書となって以来、高等学校の歴史教科書の刊行を中心に戦後の社会科教育とともに歩んで参りました。 現在では、高等学校の地理歴史科・公民科の各科目(地理を除く)の教科書を刊行しております。 また、高校生の日々の学習および大学受験勉強のために、参考書や問題集など多種多様な学習補助教材も取りそろえており、幅広いご支持をいただいております。
■ICTの"山川"として
PC、タブレットの普及により、学校現場は大きく変化しています。学びの主体である生徒の皆さんが100人100通りの学びの方法を実現できるよう、日々新たなコンテンツ開発を目指しております。学習参考書の定番である「用語集」のアプリ化を2021年春からスタートさせることはその一例です。また、プロジェクターやデジタル黒板を使われる先生方の授業・準備をサポートするサービスも順次スタートさせています。2020年秋には山川&二宮ICTライブラリをスタートさせ、より使いやすいサービスに昇華させていく所存です。
■これからの"山川"として
わが社の商品を常に一から見直し、新たな挑戦を続けてまいります。電子書籍コンテンツを年間50パーセント増やすことで、より多くの方に本を手に取って戴けるよう努めます。また、ウェブメディア「ヒストリスト」をリニューアルし、山川のファンになって戴いた方がさらに歴史を楽しんで戴けるコンテンツを充実させてまいります。さらにエシカルといった新たな分野に注力し、自社の理念である「文化の発展に貢献する」裾野を広げてまいります。